人が人を好きになる理由や、新たな恋が芽生えるメカニズムを紹介します。
ロミオとジュリエット効果
お互いの両親が交際を反対しているカップルほど強く愛し合っているケースはよくあります。
このように大きな障害があることで二人の恋愛が燃えることを「ロミオとジュリエット効果」といいます。
人は生理的な興奮と、目の前の状況の2つが揃ってはじめて自分の感情に説明をつけることができます。
両親の反対という障害に対して興奮していると、それを恋人に対する興奮と勘違いしやすいため、愛情が強くなりやすいのです。
両親が交際を認めた途端に恋愛感情が冷めてしまうというケースも少なくありません。
SVR理論
「SVR理論」とは出会いから結婚までを「stimulus(刺激)」「Value(価値)」「Role(役割)」という3段階に分けた考え方です。
第一段階の「stimulus(刺激)」とは相手の顔や表情、雰囲気などから、好きになるかどうかの判断をする段階です。
第二段階の「Value(価値)」とは趣味や考え方などが合うかどうかということです。
第三段階の「Role(役割)」とはお互いが相互に補完し合える関係にあれるかどうかということです。
これらの段階を全てクリアすることで男女が将来のことを考えるようになるという理論がSVR理論です。
親に似た人を好きになる心理
男性でも女性でも親に似た人を好きになるという人はいますし、それは自然なことです。
親というのは最も身近な存在ですし、好きな相手だからです。
親に似ている相手を見ると無意識に自分の親の良い部分と重ね合わせてしまうのです。
そして「きっとこの人も良い人だろう」と判断して好きになるのです。
クーリッジ効果
クーリッジ効果とは哺乳類のオスが新しいメスを見ると性的な興奮が復活する現象のことです。
くだけた言い方をすると男性は常に新しい女性を求めているということです。
ネズミのオスをメスが数匹いる箱の中に入れると、全てのメスと交尾をします。
しかし何度か交尾を繰り返すと疲れてしまい行為を行わなくなります。
そこに新しいメスを投入すると、疲れていたはずのオスは再び行為を始めるのです。
クーリッジ効果の語源はジョン・カルビン・クーリッジ・ジュニア大統領の逸話からきています。
大統領夫妻が鶏小屋を見学した際に、夫人が「オスは1日に何回くらい交尾をするの?」と聞いたら担当者が「何十回もしますよ」と答えたので、夫人は「ぜひウチの旦那にも教えてあげて」と言いました。
それを聞いた大統領は「そのオスは毎回、同じメスと交尾をするの?」と聞くと担当者が「毎回、違うメスですよ」と答えました。そこで大統領は「ぜひうちの妻にも教えてあげてくれ」と言ったそうです。
錯誤帰属
人間の感情は生理的な興奮と、その場の状況の二つの要因によって決定されると言われています。(情動の二要因理論)
魅力的な異性がいる(状況)ときに胸がドキドキ(生理的な興奮)すると、「素敵な異性を見て興奮した」と考えるわけです。
しかしこの感情について人間はときどき錯覚を起こします。
例えばゆらゆらと揺れるつり橋の上でドキドキしているときに、異性に出会ったとします。
本当はつり橋の恐怖でドキドキしているのにも関わらず、「異性を見たから興奮したんだ」と勘違いしてしまうのです。
これを錯誤帰属といいます。
デートのときにお化け屋敷やジェットコースターのような興奮する場所に行くと良い、というのはこの錯誤帰属を狙うことができるからです。
社会的交換理論
カップルを対象とした実験で、自分と相手のルックスのレベルを評価してもらうという実験があります。
その実験の結果、多くのカップルで、自分と相手の評価に誤差が少なかったそうです。
つまり人間は自分と同じルックスレベルの相手を選んでいるということです。
これを社会的交換理論と言います。恋愛以外でも使われる言葉です。
若い女性が好まれる理由
多くの男性は若い女性が好きです。これは何歳になっても変わりません。
男性が若い女性を好むのには生殖能力が関係しています。女性には子供を生むことのできる年齢に制限があります。
若い方が子供を生むのには有利です。男性は動物としての本能で若さから生殖能力の高さを読みとり、自分の子孫を残してくれる相手であると認識するのです。
なのでいくつになっても若い女性が好きな男性は減らないのです。
ハロー効果(後光効果)
ある対象を評価するときに、大きな特徴があると、ほかの部分についてもその特徴に影響を受けててしまう効果をハロー効果(後光効果)といいます。
学歴や肩書きが素晴らしいと、人間性も素晴らしいのだろうと勝手に判断してしまうのはまさにハロー効果といえます。
学歴や肩書きという大きな特徴が、人間性の評価にも影響を与えているからです。
美人な女性と一緒にいる男性が魅力的に見えるのも、美人のハロー効果を受けているからです。
一目ぼれ
一目ぼれがなぜ起こるのかということについては科学的に証明されていません。
自分と正反対の遺伝子を持つ相手を本能的に選んでいるからという仮説もあります。(※動物は自分と異なる遺伝子を持つ相手と交配することでより強い子孫を残せる)
一目ぼれのメカニズムは分かっていませんが面白い実験結果があります。
アメリカで一目ぼれによって結ばれたカップルの離婚率は、そうでないカップルよりも遥かに低いという結果が出たのです。
アメリカの離婚率は約50%と言われていますが、一目ぼれで結婚したカップルの離婚率は10%~20%だったのです。
一目ぼれを一時的なのぼせ上がりとして片付けてしまうのは勿体ないかもしれません。
マズローの欲求階層説
心理学者のマズローによると人間の欲求には5段階の階層があるとされています。
下の階層から簡単にいうと食事→安全→愛情→尊敬→自己実現です。
下の階層にある欲求が満たされることによって、さらに上の階層の欲求が生まれるとしています。
マズローの欲求階層説は以下のような階層になっています。
①生理的欲求
食事、睡眠、排泄などの本能的な欲求
②安全欲求
危険を避けて安全に暮らしたいという欲求
③愛情と所属の欲求
誰かに愛されたい、組織に所属したいという欲求
④自尊欲求
自分の価値を認めて、尊敬して欲しいという欲求
⑤自己実現の欲求
自分の可能性を開花させ成長したいという欲求
食べる心配もなく(1階層)、身の安全も確保できて(2階層)、初めて人は誰かに愛されたい(3階層)と思うという説です。
人を愛することが出来ないという人は子供の頃に1と2の階層でなにかトラウマになるようなことがあったのかもしれません。
類似性の法則
人は出身地や出身校、趣味などが同じ人に対して親近感を持ちやすいです。
自分と同じであるということが安心感につながるのです。そしてこの安心感がやがて好意へとつながります。
振り向いてもらいたい相手がいる場合、相手との共通点を探し、その話題について深く話してみると、好意を持ってもらいやすいといえます。